特許の権利範囲は、請求項(特許請求の範囲)によって決まります。
請求項の記載が抽象的であれば権利範囲は広くなり、具体的であれば狭くなります。
たとえば、「指紋」のような具体的な記載よりも、「生体情報」のような抽象的な記載の方が、指紋以外の可能性(声紋、虹彩など)もカバーできるので権利範囲は広くなります。
あるいは、「(ゲームの)アイテム」のような具体的な記載よりも、「オブジェクト」のような抽象的な記載の方が、アイテム以外の可能性(キャラクタ、武器、カード、建物など)もカバーできるので権利範囲は広くなります。
その一方、権利範囲が抽象的に表現されると、どんな発明なのかがわかりにくくなります。
したがって、特許明細書では発明を具体的に説明する必要があります。
請求項では発明の核心を抽象的に定義し、特許明細書では発明を具体的に説明する、という構造になっています。
特許明細書の具体的な記載を参考にしながら、請求項で定義される抽象的な発明が解釈されます。