弁理士は、いろいろな発明と出会う職業です。
数々の発明の中でも、特に心に残っている発明のひとつが、三洋電機株式会社(現:パナソニック株式会社)の生体認証に関する発明です(以下、「三洋発明」とよぶ)。
三洋発明は、指紋認証のように、認証装置に直接触れるタイプの生体認証(接触型)に関します。
生体認証には「接触型」と「非接触型」があります。
接触型の代表例は、指紋認証や掌紋認証です。
非接触型の代表例は、顔認証や声紋認証です。
指紋認証は、古くから利用されており、非常に信頼性の高い認証方法です。
その一方、不特定多数に触られるので、認証装置は不衛生となります。また、指紋をとられることに心理的抵抗を覚える人も多いです。
非接触型の生体認証は衛生的なのですが、認証の信頼性は接触型には及びません。
三洋発明は、
・信頼性が高い接触型の生体認証を使いたい。
・接触型は不潔なので認証装置には触りたくない。
というジレンマを解決する発明です。